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Interview TSDGB対談

2025年9月12日に新宿LOFTで行われる「TSDGB」。

2マンでステージに上がるボーカリスト、the superlative degree 橋都章人とGOATBED 石井秀仁さんの対談が決行されました!

──9月12日(金)に東京・新宿LOFTで、the superlative degreeとGOATBEDの2マンライブ「TSDGB」が開催されます。お二人は、2024年に章人さんがcali≠gariのライヴを観に行ったことから30年ぶりぐらいに再会をして、親交が深まったと伺いました。

 

橋都章人(以下、章人):そうですね。仲良くなるなと思って、仲良くなったんですけど。仲良くなる中で、何か一緒にやりたいなあっていう思いが出てきて。いつも一緒に遊んでいる人と2マンライヴをやることって、ただ楽しいだけじゃなくて、互いに負けたくないって思いがないと楽しくないんですよ、きっと。だから、それができるっていうことが本当にありがたいし、やるって言ってくれたことにも、ありがたいと思っていますよ。

 

──GOATBEDはどういう形態で挑む予定ですか?

 

石井秀仁(以下、秀仁):(サポートドラムの眞屋)善彬のスケジュールは取れているので、最低でも善彬はいる形態で。そうじゃないと、ドラマーのSHINGOさんが強力すぎるので、打ち込みだけじゃ嫌だなと思って。

 

章人:普通にSNSには書いてあるので見た人はいるかもしれないけど、秀仁とは仲がいいけど、雄次(石井秀仁の実弟でGOATBEDメンバー)には、ウザいと思われているみたいなんですよ。俺、すごいダル絡みするから。

 

秀仁:アハハハハハ。

 

──半ば強引でしたけれど、ご飯食べに連れて行って、章人さんと雄次さんが向かい合って座っているのを見て、珍しい光景だと思いました(笑)。

 

章人:雄次はいつも一緒にご飯に行ったりしないの?

 

秀仁:まったく来ないですね。

 

章人:そうなんだ。俺はすごく好きなんだけど。なんでこの逸材にみんな気が付かないんだろう?って。雄次もかなり面白いやつですよね。cali≠gariもだけど、GOATBEDもすごい観に行ってるんで。

 

──GOATBEDのライヴにはどんな印象を抱いていますか?

 

章人:秀仁と雄次、二人だけのシンセの時もあれば、バンド形態の時や、その中間の時もあるから、毎回ちょっとずつ違っていて。バンド形態の時は、秀仁がバーンと前に出ている感じがあるし、そうじゃない時はずっと見せつけている感じがある。GOATBEDは煽らないタイプだから、たとえば雄次コールが起こったりしたら、帰っちゃったりするのかな(笑)。

 

秀仁:帰りはしないでしょうけど(笑)。100人お客さんがいたとして、100人みんながそういうタイプならいいんですけど、そういうのを嫌がる人もいますからね。自分も、好きなライヴを観に行って、じっくり聴きたいところで客が大騒ぎしてたら、すごい腹立ちますから。

 

章人:あー、うちはそういうお客さんが多いかもしれない(笑)。話を戻すけど、GOATBEDにはいつも普通に感動していますよ。俺が知らないだけかもしれないけど、SOFT BALLETの後にこういうことをやっている人って、他にいるのかな?って思うじゃないですか。そう考えたら、もっと評価を受けた方がいいと思いますよ。しかも、すごく考えて作られている。行動力よりも想像力がないと、GOATBEDの音楽は作れないだろうなと思うし、バカは聴いちゃいけない、と思わされるところがある。その“バカ”っていうのは学力のことじゃなくて、感覚が鈍いってことで。感覚が鋭い人にはわかるんだろうなっていう場面が、GOATBEDには散りばめられていると思うんですよ。そういうところがすごいなって思う。

 

──9月12日新宿LOFT公演では、来場者特典としてお互いの曲をカバーした2曲入CDが配布されます。the superlative degreeはGOATBEDの「コミュニカシオン」をカバーしていますが、この曲を選んだ理由を教えてください。

 

章人:まず、GOATBEDの曲をバンドでやるっていうところで、(選曲の幅が)ざっくり半分ぐらいになって、その中でチョイスしたんだけど。「コミュニカシオン」は単純にやれそうだなと思ったのと、頭に“こっちの水は甘いぞ”っていう、俺の好きな蛍の歌(「ほたるこい」)のフレーズもあったので、これがいいのかなって(笑)。聴いていて、バンドでやっている絵が見えたんですよ。ここでSHINGOが2バス踏むんだろうな、とか、ギターはもうちょっと足し算をして、自分たちのオマージュぐらいのことをやったりして。歌はめちゃくちゃキーが高いから、2音ぐらい下げています。

 

──the superlative degreeのカバーを聴いて、石井さんはどう思いましたか?

 

秀仁:もう最初のリハ音源から送られてきて、シーケンスパートも含めどんどんよくなっていく過程を聴かせてもらっていたから、最終的に完成版を聴いた時は、俺も一緒に“おー!”ってなりましたよね(笑)。その感じが面白くて。(「コミュニカシオン」が)人んちの曲になったなって思いました。そもそも平然とその過程を俺に聴かせてくるところが、章人さんのすごいとこだなと思って(笑)。

 

章人:リハの段階で誰かが下手だったり、俺の歌が下手だったりしたら、それはもうダメじゃないですか。だからまずは聴かせようと思って(笑)。聴いてもらって、「これはダメだ」って言われたら、曲を変えた方がいいのかなって思ってたから。

 

秀仁:勉強になりますよね、そういう精神も。

 

──石井さんは真逆のタイプですからね。

 

章人:確かに、そこは秀仁と全然違うところだよね。秀仁は自分がいいと思うものを作り込んで作り込んで、納得できたところでやっと聴かせてくれる。この間、歌詞の意味を聞いたら、「まだそこまで仲良くない」って突き放されましたよ(笑)。

 

秀仁:歌詞の意味なんて、人に話したこと一度もないですから。ごまかしてもしょうがないようなものは、取材で話したりしますけど。

 

章人:「コミュニカシオン」は本当にいい曲だと思いますよ。GOATBEDのお客さんはみんな好きな曲だと思うから、誇張され過ぎているところなんかを聴いて、嫌われたら嫌だなと思って(笑)。

 

秀仁:ライヴでも聴きましたけど、すごいよかったですよ。

 

──GOATBEDの方は、the superlative degreeの「アイデンティティコード」をカバーされています。どうしてこの曲を選ばれたのですか?

 

秀仁:the superlative degreeの曲で、初めて聴いたのがこの曲で。すごくメロディが立っていて、わかりやすくていい曲だなと思ったんですよ。一番の代表曲なのかなと思ったので、その一番の代表曲を平気な顔で改造して、平然と歌っているっていうのがいいじゃないですか。それで、めちゃくちゃいい曲だなって思ってもらえたらいいなっていうイメージです。

 

章人:それでいいと思いますよ。

 

──その制作はこれからということで、完成を楽しみにしています。作品としてはもう一つ、the superlative degreeが6月にリリースした2nd EP『火樹銀花』のジャケットデザインを、GOATBEDが手がけていますね。章人さんからの依頼があったのですか?

 

秀仁:依頼は……されてないな(笑)。最初から「やるよ」っていう感じで。基本的に写真周りは俺がやって、ちょっとしたロゴや文字組みは雄次さんがやって、分担してやったんです。いつもGOATBEDでやってることを、章人さんのところでもやろうかなと。

 

章人:だいぶ助けてもらいましたよ。俺がいい状況になるように、ものすごくサポートしてくれるんですよ。もともと撮っていたアー写を使って、秀仁がどんなデザインを作ってくれるのか、すごい楽しみでした。

 

秀仁:一番最初にもらった曲が「花火」で、だいぶしっかりした曲だなと、イントロからいいなと思って。その感じをジャケットの表紙に落とし込みたかったんですよ、歌詞カードのどこかじゃなくて。ジャケットがかっこいいなと思って買ったら、中の音もイメージ通りだった、っていうのが一番いいじゃないですか。素の状態のアー写をもらって、色調なんかをいじらせてもらって、俺の中にあったイメージにどんどん近づけていった感じです。

 

章人:ありがたかったですよ。

 

──この先にはアルバムを出す予定ですか?

 

章人:そのつもりなんですけど、うちのバンドはみんな真面目にやりすぎて、すぐに「やめるぞ」って言い始めるんですよ(笑)。俺もバンドのグループLINEから退会したことがありますから。

 

──章人さんが退会したら、どうなっちゃうんですか。

 

章人:退会して1日後に呼び戻された(笑)。真面目にやっていると温度差が出てきて、温度の一番低いやつに対して、みんながすぐにイラついちゃうんですよ。『火樹銀花』がいい作品になったからこそ、余計にそうなっているのかもしれない。次はもっといいものを作りたいから。同時に音源は思うようにできてきているのに、ライヴがなかなか思うようにいかないっていうジレンマもあったりするんだけど。とりあえず今は、9月12日がうまくいくようにしたいなと思っています。うちのバンドとGOATBEDって、かなり違うけど、お客さんたちが何か共通点を感じたり、納得したり、楽しんでくれればいいなと思っています。

 

秀仁:音楽のジャンルでいったら、表面的には全然違いますからね。

 

章人:お客さん同士、馴れ合わなくてもいいんだけど、単純にそれぞれが楽しんでくれたらいいなって。そろそろ、いいものはみんなで守っていかなきゃいけないと思うので。


 

取材・文/大窪由香

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©2023 the superlative degree オフィシャルサイト

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